猫は好奇心旺盛で活発な動物です。そのため、遊んでいる最中や屋外での散歩中に思わぬケガをしてしまうこともあります。
「もし猫がケガをしてしまったら、どうすればいいのか?」
「病院に連れて行くべきか、それとも自宅で様子を見るべきか?」
そんな疑問を持つ飼い主の方も多いのではないでしょうか。いざという時に落ち着いて対応できるように、猫のケガの応急処置について詳しくご紹介します。愛猫の健康と安全を守るために、ぜひ参考にしてください。
1. まずは冷静に!応急処置の基本
猫がケガをしているのを見つけた時、飼い主の方が焦ってしまうと、猫も不安になり、場合によっては興奮して攻撃的になってしまうことがあります。落ち着いて、以下のポイントを意識しましょう。
猫の状態を確認する
・どこをケガしているか
・出血はあるか
・意識ははっきりしているか
・歩くことができるか、震えていないか
無理に触らない
猫が興奮している場合、無理に触ると飼い主がケガをしてしまうこともあります。可能であれば、タオルなどで優しく包んで落ち着かせましょう。
病院に連絡するか判断する
・大量出血、骨折、意識がない場合はすぐに動物病院へ
・軽いケガの場合は応急処置を行い、様子を見て受診するかどうか判断
2. ケガの種類別 応急処置の方法
① 切り傷・擦り傷(出血がある場合)
主な症状:出血、皮膚の裂傷、毛が抜けている
主な原因:鋭利なものに引っかかった、猫同士のケンカ
応急処置の手順
- 止血する
清潔なガーゼやタオルで傷口を押さえ、5分ほど圧迫します。 - 傷口を清潔にする
ぬるま湯や生理食塩水で優しく洗い、汚れを取り除きます。 - 消毒する(※猫に安全なものを使用)
人間用の消毒液は刺激が強いため使用せず、市販の動物用消毒液(クロルヘキシジンなど)があれば綿棒で軽く塗ります。 - 舐めさせないようにする
エリザベスカラーをつけるか、包帯で軽く覆います。

受診が必要なケース
・深い傷で出血が止まらない
・化膿して腫れている
・傷口が大きく開いている
② 骨折・打撲(歩き方に異変がある場合)
主な症状:足を引きずる、腫れ、痛がる仕草
主な原因:高所からの落下、ドアに挟まる、交通事故
応急処置の手順
- できるだけ動かさない
無理に歩かせず、タオルやブランケットで優しく包みます。 - 骨折の疑いがある場合は軽く固定
固定用の板やタオルを添え、包帯などで軽く固定します(※やりすぎると悪化することがあるため注意)。 - すぐに病院へ
骨折や脱臼の可能性がある場合は、速やかに獣医師の診察を受けてください。
受診が必要なケース
・明らかに骨が折れている(不自然な曲がり方をしている)
・触ると激しく痛がる
・歩けない、立ち上がれない
③ 目のケガ(目をしょぼしょぼさせる、涙が多い)
主な症状:目を開けられない、涙が出る、赤く腫れる
主な原因:砂やほこりの混入、猫同士のケンカによる引っかき傷
応急処置の手順
- 異物を取り除く
ぬるま湯や生理食塩水で目を優しく洗います。 - こすらせないようにする
エリザベスカラーをつけるか、前足を清潔にしてこすらせないようにします。 - 抗菌目薬の使用(獣医師に相談)
市販の人間用目薬は使用せず、獣医師に相談のうえ、適切なものを使用します。
受診が必要なケース
・目の充血がひどい
・目を開けられない
・目が白く濁っている
④ 火傷(熱湯や熱い物に触れた場合)
主な症状:皮膚が赤くなる、水ぶくれ、ただれる
主な原因:熱湯をこぼす、ストーブに触れる、電気コードを噛む
応急処置の手順
- すぐに冷やす
ぬるま湯(冷たすぎる水は避ける)をかけて、10分ほど冷やします。 - 傷口を刺激しない・舐めさせない
清潔なガーゼで軽く覆い、舐めないようにします。 - 速やかに病院へ
火傷の程度によっては、すぐに治療が必要です。
受診が必要なケース
・水ぶくれができている
・皮膚が黒く変色している
・痛みがひどく、ぐったりしている
3. 応急処置後は必ず病院で確認を
猫は痛みを隠しやすい動物のため、一見軽傷に見えても深刻な場合があります。応急処置を行った後は、なるべく早めに獣医師の診察を受けましょう。
また、万が一の事態に備えて、応急処置キット(ガーゼ、包帯、消毒液、エリザベスカラーなど)を常備しておくと安心です。
日頃から準備を整え、いざという時に落ち着いて対応できるようにしておきましょう。